役員報酬の節税効果を最も高める方法|いくらに設定するべき?

役員報酬は基本的に全額を損金算入できるため、設定する金額次第で節税効果が高くなります

それゆえに、会社設立時に役員報酬の金額設定で困りますよね。

 

節税を意識せずに決めてしまった方もいるでしょう。

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いくらにすれば節税効果が最も高まるの?

と考えている方が多いのではないでしょうか。

 

以前Twitterでもつぶやいたのですが、役員報酬での節税は考えることが多いです。

そこで本記事では、役員報酬の節税効果を最も高める方法について徹底解説していきます。

 

少しでも節税効果を高めて、手元に資金が残るようにしましょう!

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役員報酬で節税する前に知っておくべき知識

3つの節税方法 画像

役員報酬で節税する前に、節税について知っておきましょう。

そもそも節税とは、法律の範囲内で控除や制度を利用して納税額を減らす行為です。

 

主な節税方法は以下のとおりです。

・利益自体を減らす
・利益にかかる税率を下げる
・税額控除を活用して納税額を減らす

 

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植村拓真
3つの節税方法を覚えておきましょう

 

続いては、法人の税金についてお話します。

法人が納める税金の種類と税率は、以下のとおりです。

・法人税(23.4%)
・地方法人税(法人税×10.3%)
・住民税(16.3%:東京都23区内の場合)
・事業税(3.78%)

 

上記の税率を合わせたものを実効税率といいます。

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実効税率とは、経常利益に対してかかる税率を合算したものです

 

その他にも、会社は以下の税金を納税します。

・固定資産税
・消費税
・印紙税
・復興特別法人税 など

 

法人化すると、本項目で紹介した約38%の税金が課税されます。

会社を設立したばかりの法人にとっては、重たい税率です。

ですので、少しでも節税して会社の資金を確保しましょう。

 

法人に関する詳しい情報は、以下の記事でまとめています。

役員報酬で節税!特徴と決める手順

役員報酬で節税!特徴と決める手順

それでは、役員報酬で節税する方法について解説していきます。
まずは、特徴と決める手順から確認していきましょう。

役員報酬とは?

役員報酬は自分の裁量で決められて、うまく設定すれば効果的に節税できる重要な会社の経費です。

代表者の給与で、会社設立時に決定します。

 

その際、高く設定すると会社の利益が減って法人税は少なくなります

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じゃあ役員報酬は高く設定した方が節税できるんだな!

・・・と思いがちですが、それは間違いです。

 

役員報酬を高くすると、役員個人にかかる所得税や住民税、さらに社会保険料も多額になってしまうからです。

その結果、法人税は少なくできたけど個人に多額の税金がかかり、会社と役員の全体で見ると税金が高くなっているケースもあります。

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じゃあ役員報酬を低くしておこう!

 

・・・というのも、残念ながら正しい考え方ではありません。

役員報酬を極端に下げてしまうと、反対に法人税が高くかかります

そして極端な話、役員報酬をゼロにしてしまうと、役員が自分の生活費を払えなくなってしまいます。

 

というわけで、役員報酬は会社の利益や法人税、役員個人の税金や生活費などを総合的に考えて、絶妙なバランスで設定しましょう。

本記事では以上の点を踏まえて、役員報酬をいくらに設定すれば最も節税できるのかについて解説します。

役員報酬を決める手順

当然ですが、役員報酬は勝手に変更できません。

金額を変更する場合は、株主総会の決議が必要です。

 

そして、株主総会議事録を作成して保存しましょう。

様式や書式に規定はありませんが、会社法施行規則で以下の内容を記載すると定められています。

・株主総会の開催日時と場所
・議事の経過の要領および結果
・出席者の氏名
・議長の氏名
・議事録を作成した取締役の氏名

 

議事録のひな形がネットでダウンロードできるので、印刷して書き込み・押印・保管しましょう。
→役員報酬額の変更に関する議事録のテンプレートをダウンロードする

 

役員報酬を変更した際は、社会保険の手続きが必要なケースもあります。

毎月支払う社会保険料は、標準報酬月額の等級によって決まっているからです。

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社会保険料とは、健康保険料と厚生年金保険料のことですね

 

役員報酬の変更で標準報酬月額が2等級以上変わる場合は、月額変更届を所属の健康保険組合や年金事務所に提出して随時改定を行いましょう。

標準報酬月額の区分については、以下のページから最新情報をご確認ください。
全国健康保険協会(都道府県毎の保険料額表)

役員報酬を変更する際のルールと注意点

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役員報酬の変更と経費計上には、税務上のルールと注意点があります。

本項目の内容を確認して、正しい金額を設定しましょう。

 

役員報酬として支払われる金額は、毎月同額でなければなりません

そして、不相当に高い金額の場合は、経費否認されてしまいます。

業務の内容や責任の負担量を考慮して、毎月支給する金額を決定しましょう。

 

役員報酬の変更は、事業年度開始から3ヵ月以内であれば行えます。

4ヵ月以降から翌年度までに変更する場合は、以下の点に注意しましょう。

役員報酬を増額 元の金額分のみ経費計上できる

増額分には法人税と所得税が課税される

役員報酬を減額 減額後の役員報酬が定期同額給与の基準となる

減額前の超過部分には法人税と所得税が課される

役員報酬を事業年度開始から4ヵ月以降に変更すると、金額の低い方が定期同額給与の基準となります。

 

そして、超過部分に法人税と所得税が課されます。

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期間外に役員報酬を変更すると負担が増えるので注意しましょう!

 

また。以下のケースでは臨時改定事由として、役員報酬の変更が認められるので覚えておきましょう。

・役員が昇格または降格する
・従業員が役員に昇格する
・会社の業績が悪化する

役員報酬で節税する際に意識するべきポイント

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じゃあ具体的に、どういう判断基準で役員報酬を決めればいいの?

という話ですが、意識しておくべきポイントがこちらです。

・法人税は、800万円以下の利益には15.0%の税率しかかからない
・一方、800万円超の利益にかかる税率は23.2%に跳ね上がる

つまり、この『利益800万円』という数値が一つの基準となります。

 

役員個人にかかる所得税や住民税、社会保険料などの税率を全て合わせると、800万円以下の法人税率15.0%を超えることが多いので

利益が少ないうちは役員報酬も少なめに設定し、できるだけ会社に利益を残すようにすれば、高い節税効果が見込めます。

 

そもそも日本の所得税は累進課税方式を採用しており、個人が稼げば稼ぐほど税金も多く取られる仕組みになっているので、

稼いでも税率が一定である会社に利益を出させた方が多く節税できることも多いんです。

ただ、利益が800万円を超えると法人税率が23.2%に上がるので、そこまできたら役員報酬の額も一定水準の金額に設定しておいた方が、全体として最も高い節税効果が見込めます。

 

とはいっても、具体的な数値がないと「よく分からん!」という状態になってしまっていること請け合いでしょうから(笑)

ここからは1人社長の会社で利益が1,000万円までのケースを考えていきましょう。

役員報酬の節税効果は社会保険の加入状況で異なる

その前に一つ前提の説明を。

「役員報酬をいくらにすれば最も節税できるか」について、この答えは役員が社会保険に加入しているかしていないかで結果が異なるんです。

 

そもそも役員の社会保険とは健康保険、厚生年金のことで、この2つは加入が義務付けられているんですけど、ある条件下においては役員が例外的に社会保険に加入していない場合があります。

ややこしくなるのでその条件についてはここでは省きますが、その場合、役員は国民健康保険、国民年金に加入することになります。

 

ただ、社会保険料と、国民健康保険料・国民年金保険料は計算方法が違うので、必然的に節税効果が見込める役員報酬の金額も変わってくるわけです。

要するに、役員報酬について考えるときは社会保険についても考慮しないといけない、ということですね。

 

まあ小難しいことをウダウダ書いてしまいましたが、ここからは役員が社会保険に加入しているときと加入していないときに場合分けして計算した結果、最も節税できる役員報酬額がいくらなのかをお話しますね。

※あくまでも記事執筆時点での情報であるため、実際の計算結果は以下の内容とは異なる可能性があります。
※所得控除は、社会保険料控除・基礎控除のみ、社会保険料は、東京都で介護保険第2号被保険者に該当する場合で試算した結果です。

役員が社会保険に加入している場合

役員が社会保険に加入している場合は、会社利益が800万円を超えるまで、できるだけ役員報酬を少なくすることで大きな節税効果が見込めます。

先程お話した通り、『利益800万円の基準』ということですね。

理論上、役員報酬をゼロにすると最も節税出来ることになります。

 

ただし、役員報酬ゼロだと年金事務所などから「いや、それじゃ社会保険料払えませんやん」ということで社会保険の加入を断られるケースがあるので、現実的には役員報酬をゼロに設定するのは難しいでしょう。

社会保険料の支払いの他にも、所得税や住民税など、そして役員個人の生活費の支払いもあるので、どれだけ役員報酬を低く抑えたくても、最低でも月5万円以上は確保しておくのがオススメです。

 

一方で、会社利益が800万円を超えると、役員報酬にもある程度の金額を配分した方が良くなります。

例えば会社利益が900万円程度の場合、役員報酬を100万円程度にすると最も節税でき会社利益が1,000万円の場合役員報酬を200万円程度にすると最も節税できます。

役員が社会保険に加入していない場合

続いて役員が社会保険に加入していない場合ですね。

こちらの場合、会社利益が500万円を超えるまでは、『役員報酬の金額=会社利益の金額』と設定することで最も高い節税効果が見込めます。

 

例えば、会社利益が300万円の場合、役員報酬も300万円に設定すれば最も節税できる、ということになります。

つまり、会社利益をゼロにし、役員に利益を分配した方が節税できる、という結果になるわけですね。

 

なぜこのような結果になるかというと、社会保険料(健康保険・厚生年金)は報酬の金額に比例してどんどん高くなっていくのに対し、役員が社会保険に加入していない場合、報酬がどれだけ増えても月額約16,000円固定の国民年金に加入することになるからです。

 

この国民年金保険料が固定されていることにより、役員個人にかかる税率も下がるので、結果的に会社より役員に利益を分配した方が節税できるよね、ということになるのです。

 

一方、会社利益が600万~900万円程度のときは、役員報酬額を500万円程度にすると最も節税でき、会社利益が1,000万円のときは役員報酬額を600万円程度にすると最も節税できますね。

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以上、役員報酬についての決め方について解説しました。

 

正直、役員報酬は考えるべき要素が色々と絡み合って複雑なので、一概に「こうすれば良いよ!」とは言えないのが本音です。

今回の記事もよくわからない部分があったかもしれません、すみません(汗)

 

『役員報酬をいくらにすればどれくらい節税できるのか』ということが分かる無料シュミレーションを承っているので、お気軽にご連絡下さい。

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