インボイス制度導入がやばいといわれる理由|問題点と対策を徹底解説

こんにちは、植村拓真(うえむら たくま)です。

普段はセミナーに登壇して、インボイス制度についてお話しさせていただいたりもしている税理士です。

 

令和5年10月1日に導入されるインボイス制度は、事業形態に関係なく事業主に大きな影響を与える制度です。

消費税の免税事業者は仕事が減少する可能性があるため、内容を知って対策を考えておく必要があります。

 

当然ですが「やばい」「ひどい」「廃止しろ」と導入前から早くも大荒れです…笑

 

そして、法人成りを検討している方(特に消費税の免税が目的の方)にとっても重要な制度です。

 

今回は、消費税の免税事業者と法人成りを検討している方向けに、インボイス制度導入がやばいといわれる理由について、問題点・対策とあわせて徹底解説します。

インボイス制度の導入に向けて、しっかりと準備を進めておきましょう。

 

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そもそもインボイス制度とは?

そもそもインボイス制度とは 画像

まずは、インボイス制度がどのような制度なのかについて、簡単にお話していきます。

  • 消費税の仕組み
  • 消費税の課税事業者と免税事業者
  • インボイス制度の概要

3つの項目に分けて解説するので、順番に見ていきましょう。

消費税の仕組み

消費税とは、商品やサービスなどを販売する際、取引に対して公平に課せられる税金のことです。

税金には直接税と間接税の2種類あり、消費税は間接税に分類されます。

 

たとえば、コンビニで商品を購入する際、購入者が消費税を支払いますが、収めるのはコンビニです。

購入者が間接的に消費税の納税するので、間接税と呼ばれています。

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事業者本人が納める所得税や法人税などは、直接税に分類されます

 

消費税は令和元年10月1日から、以下の2種類に分類されています。

種類 税率
軽減税率
(新聞や飲食料品など)
8%
(消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)
標準税率
(上記以外の商品)
10%
(消費税率7.8%、地方消費税率2.2%)

以上が消費税の仕組みです。

消費税の課税事業者と免税事業者

続いては、事業者と消費税の関係を見ていきましょう。

事業者は以下の条件を満たす場合、消費税の納税が免除される免税事業者となります。

・必須:資本金1,000万円未満
・①:特定期間の課税売上高が1,000万円以下
・②:特定期間の給与支払額の合計額が1,000万円以下
・③:設立1期目が7カ月以下

①か②を満たさなくても、③の条件に該当すれば消費税の免税事業者となります。
引用:【2021年】法人成りで消費税の免税事業者になる要件

 

事業形態別の特定期間は、以下のとおりです。

事業形態 期間
個人事業主 前年1月1日~6月30日まで
法人 その事業年度の前事業年度開始日以後6ヶ月

免税事業者は消費税を納める義務がないため、取引先との取引で発生した消費税を益税としてそのまま得られます

一方、上記の条件に当てはまらない事業者は、消費税の納税義務がある課税事業者となります。

 

課税事業者が納める消費税を計算する方法は、以下のとおりです。

課税売上に係る消費税課税仕入れ等に係る消費税(仕入税額)
= 納める消費税

課税売上に係る消費税から課税仕入れ等に係る消費税を控除することを、消費税の仕入税額控除といいます。

 

以上が、消費税の課税事業者と免税事業者の概要です。

インボイス制度の概要

それでは、インボイス制度の概要についてお話します。

インボイス制度とは、記載義務を満たした請求書を発行・保存する制度です。

適格請求書等保存方式と呼ばれており、令和5年10月1日に導入されます。

 

消費税の仕入税額控除を受けるには、従来であれば請求書や帳簿を保存する必要がありました。

しかし、インボイス制度導入後は、適格請求書(インボイス)を保存する必要があります

 

インボイスとは、以下の内容を記載している書類のことです。

  • 発行者と交付を受ける者の氏名または名称
  • 取引した年月日
  • 取引内容と金額
  • インボイス発行者の登録番号
  • 軽減税率の対象品目
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額もしくは適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額
    など

発行できるのは、税務署で適格請求書発行事業者の登録を行なっている事業者のみです。

 

インボイス制度の詳細については、以下の記事で詳しくお話しています。

インボイス制度がやばいといわれる問題点と対策

インボイス制度 やばい 問題点 対策 画像

インボイス制度がやばいといわれる問題点は何か、どんな対策があるのかについてお話します。

結論からお話しますが、インボイス制度が導入されたからといって、いきなり仕事を失うわけではありません

今後どうすればいいのかについてお話するので、落ち着いて確認しましょう。

【問題点①】仕事が減る可能性がある(免税事業者)

  • 請求書の様式を変更する必要がある
  • 申告の負担が増える
    など

インボイス制度の導入でさまざまな問題が発生しますが、みなさんが一番悩んでいるのは仕事が減るのではないかといった内容でしょう。

 

日本政策金融公庫 融資審査 吹き出し 画像
取引先
インボイスを発行できる方と取引したい

上記のような取引先が増えると考えるのが自然だからですね。

 

免税事業者はインボイスを発行できないため、取引先は消費税を余分に支払うことになります

一方、インボイスを発行できる課税事業者と取引すれば、仕入税額控除を受けられます。

 

上記のような理由から、インボイス制度が導入されると、免税事業者は仕事が減ると考えられています。

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とはいえ、取引先は取引実績のある事業者を切りたくないでしょうから、値引きや課税事業者になるよう提案される可能性もあります

【問題点②】消費税分の報酬を減らされる可能性がある(免税事業者)

先ほどお話ししたとおり、ご自身が免税事業者である場合、取引先から消費税分の報酬を減らされる可能性があります。

課税事業者はインボイス制度導入後、免税事業者との取引で発生した消費税の控除を受けられないからです。

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免税事業者
消費税分の値引き要求って消費税転嫁対策特別措置法に違反しているのでは?

と考える方がいるかもしれません。

 

しかし、法律で買い叩きとして禁止されているのは、あくまで消費税の増税分を値引き要求する行為です。

インボイス制度は増税に関する制度ではないため、法律的に問題ない可能性があります。

ですので、免税事業者の方はインボイス制度導入後に、取引先から消費税分の報酬を減らされる可能性があると覚えておきましょう。

【対策①】適格請求書発行事業者の登録申請書を提出(課税事業者)

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課税事業者側の対策についてもお話ししておきます!

適格請求書発行事業者になる場合は、税務署に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しましょう。

課税事業者でも、適格請求書発行事業者の登録手続きを済ませていないとインボイスを発行できません

忘れずに手続きを済ませておきましょう。

 

適格請求書発行事業者の登録手続きの主な手順は、以下のとおりです。

税務署に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出する

審査後にネット上で「適格請求書発行事業者」であると公表される

税務署から登録完了と登録番号が通知される

上記の手続きは任意ですし、無料で行えます。

 

適格請求書発行事業者の登録申請手続きについては、以下のリンクから詳細をご確認ください。
国税庁:適格請求書発行事業者の登録申請手続のページに移動する

【対策①】消費税課税事業者選択届出書を提出(免税事業者)

インボイス制度導入後も、免税事業者のままでいることはできます。

従来どおり、免税事業者であれば消費税の納税は免除されます。

 

ただし、先ほどお話したとおり、インボイスを発行できない方は仕事が減るかもしれません。

取引先から値引きや課税事業者への切り替えを提案される可能性もあります。

 

取引に影響を与えたくない場合は、税務署に消費税課税事業者選択届出書を提出しましょう。

税務署に消費税課税事業者選択届出書を提出した事業者は、課税事業者となります。

課税事業者に切り替えると、免税事業者の条件を満たしていても消費税の納税義務が発生するので注意しましょう。

 

消費税課税事業者選択届出書は、以下のリンクからダウンロードできます。
国税庁:消費税課税事業者選択届出手続のページに移動する

【対策②】取引先にとって代わりがきかない事業者になる(免税事業者)

単純な話なのですが、取引先に

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取引先
この人になら控除を受けられなくても仕事を依頼したい!

と思ってもらえれば仕事を切られる心配はありません。

 

インボイス制度導入まで時間があるので、今のうちに同業者との差別化を図りましょう

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フリーランスとして生きていくならどの道必要なことなので、スキルアップに注力して売上を伸ばすのがベストです

インボイス制度導入後も一定期間控除を受けられる

インボイス制度 一定期間控除 画像

免税事業者と取引した相手は、インボイス制度が導入されると仕入税額控除を受けられません

つまり取引で支払った消費税を、そのまま納税する必要があります。

 

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インボイス制度が導入される前になんとかしないと…

そう考えて焦る方も多いでしょう。

 

しかし、すぐに仕入税額控除を受けられなくなるわけではありません。

以下の条件を満たせば、免税事業者からの仕入れについても、インボイス制度導入後6年間は一定割合の仕入税額控除を受けられます

  • 区分記載請求書等と同じ内容の記載がある請求書等を保存する
  • 経過措置を受ける旨を帳簿に記載する

経過措置の詳細は、以下のとおりです。

割合 期間
仕入税額の80%相当 令和5年10月1日~令和8年9月30日
仕入税額の50%相当 令和8年10月1日~令和11年9月30日

次第に割合が下がっていくので、課税事業者への切り替えを検討している方は、なるべく早めに手続きを行いましょう。

 

とはいえ、課税事業者に切り替えるべきかどうかの判断が難しいでしょう。

そして、消費税の免税目的で法人成りする方は、消費税以外にも考慮すべきことがあるので判断が難しいと思われます。

 

インボイス制度の対策はもちろん法人成りすべきかどうかを相談できる税理士をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

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